フロントフォークのオーバーホール その3 / Front fork overhaul (3)


昨日の記事の続きです。

ペットボトルの中身はフォークから出したオイルです。
8000kmほど走行し、かなり汚れています。

左側のフォークがオイル漏れしていたのですが、雨水の混入によるオイルの乳化はありませんでした。汚れ具合は左右同じ様に見えますが、よく見ると若干左の方が沈殿物が多い気がします。まあ、ほぼ同じです。

銘柄は A.S.H. のFORK DAMPER OIL #58 です。これだけ汚れていてもオイル自体のダンピング不足は感じませんでした。1万km以上は余裕で性能を維持する様です。


さて、アレンボルトの摘出に続き、第2の関門、オイルシールの取り外しです。これも調べてもアレンボルトの時と同じくよくわからず、プロはフォークに灯油を入れて油圧プレスでフォークを押さえ込んで灯油の油圧でシールを浮かせる、万力でアウターチューブを固定してインナーチューブを思いっきり引っ張る、二人でやる、とかですね。
私は・・・腕力でやります。もちろん一人です。

ダストシールとオイルシールの抜け止め用のリテーニングリングをマイナスドライバーで取り外します。
右手にインナーチューブ、左手にアウターチューブを持ち、それぞれ真逆の方向に引っ張ります。

残念ながら両手がふさがっているので写真はありません。そもそもこの時に写真を撮っている余裕もありません。

ガツガツと何回か繰り返していると、インナーチューブとアウターチューブが少し離れたような手応えを感じたので、そこからは慎重にコツコツと同じ動作を繰り返していると・・・






と・・・とれたぁーっ!




難なく取り外す事が出来ました。一安心です。




わかりやすいように構成部品を順番に並べてみました。
左からロアブッシング、アッパーブッシング、スペーサー、オイルシール、ダストシールです。
オイルシールとダストシールの間にあるリテーニングリングは省いています。

ロアブッシングは写真の通りインナーチューブ下側の外周に固定されていて、アウターチューブ内壁と摺動しています。

アッパーブッシングはアウターチューブ上側の内壁に打ち込まれていて、インナーチューブの外側と摺動しています。

アッパーブッシングの上にスペーサーがちょこんと乗っていて、その上にオイルシールが打ち込まれています。

アウターチューブからインナーチューブを引っこ抜く際には、ロアブッシングがアッパーブッシングのストッパーとなって、ロアブッシング、アッパーブッシング、ストッパー、オイルシールが密着します。

ガツガツとゆう衝撃音は、ロアブッシングがアッパーブッシングに当たる音で、いわばハンマーのように下からアッパーブッシングを叩いている音なのです。
打ち込まれたオイルシールとアッパーブッシングを逆方向、つまり下から上方向に撃ち抜いていくイメージです。

とゆうことで、第二関門突破です。





せっかくなので単体になったアウターチューブを磨きます。
















ネバーダルで汚れを取り・・・



57-650 ネバダル メタルポリッシュ 金属磨き






3Mのスポンジ研磨剤5種で、 試供品のオイルで潤滑しながらひたすらやすります。


3M スポンジ研磨材







ワコーズ メタルコンパウンドで磨きます。


ワコーズ MTC メタルコンパウンド 万能金属用磨き剤 120g V300





この量でアウター1本分です。




マザーズ マグ&アルミニウムポリッシュで仕上げます。


Mothers マグ&アルミニウムポリッシュ Mag & Aluminum Polish, 5 oz. 05100





ビフォーアフター。







左からスライダースプリング、ダンパーチューブ、ダンパーチューブリングです。




この穴はノーマルから拡大・増設しています。 詳しくはまた後日。





ダンパーチューブリングです。インナーチューブ内壁と摺動します。




ここにはまります。




インナーチューブです。
インナーチューブ下側にはオイル通路の穴が空いています。









インナーチューブ単体で下から見た時の様子です。

青色の何かが見えていて、指で触れる位置にあります。しかしフォーク内部パーツでは唯一の非分解構造になっていて、カシメを切り落とさないと取り出す事は出来ません。
フリーバルブと言うパーツですが、パーツリストにその存在はなく、インナーチューブとのアッセンブリーになっています。

このフリーバルブがダンパーチューブが通るスライダースプリングのストッパーになっています 。




スライダーチューブを通ったダンパーチューブは、インナーチューブの上から・・・




入って、



 下から出ます。





ロアーストップです。アウターチューブの内側の一番底に鎮座します。






この穴をアレンボルトが通ります。




この向きで・・・







こうはまります。




フロントフォークを構成しているパーツはこれで全てです。

あとは各部点検・清掃し、消耗品を新品部品に交換して組み付けていくのですが、この段階で作業計画の変更をすることにしました。実験と言うか、まあ、自分のバイクでしか出来ないような事なのですが、少し楽しみです。

 『フロントフォークのオーバーホール その4 / Front fork overhaul (4)』
 に続きます。




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